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柑橘の病気と農薬について

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長崎から届いた早香(はやか)です。

箱を開けたら真っ黒な早香がたくさん出てきました。

びっくりするほど黒い。でも!皮をむくと中はきれいです。

ここ数年、柑橘類の生育環境はどんどん悪くなっており、収穫量も減り、収穫の期間もどんどん短くなる一方です。

これは柑橘だけの話ではないのですが…

今回は柑橘類について書かせていただきます。

この写真だとわかりづらいですが、黒点病から進んだ 黒腐病だと思います。(糸状菌)という菌が原因の病気です。みかんだけでなくキャベツなどにも発生します。

生育途中に発病しますが、黒い部分がどんどんふえてくるのは収穫後貯蔵している段階です。

黒点病は実の中の温度が上がるとなりやすいので、ここ数年は真夏の温度が異常に高いため、木の間伐や整枝などを行って葉を落とし風通しを良くするなどの対応だけでは追っつかないのです。

写真のように真っ黒なのはやっぱりちょっとびっくりしますね。

このまま置いておくとさらに実のほうまで進みます。

でも…!こういう病気を防ぐためにどれだけの農薬が使われるかぜひ知っていただきたいのです!

これは福岡の温州みかんの栽培歴です。

秋に出荷されるミカンは3月から準備を始めます。

3月 発芽前に(かいよう病)を防止するために(ICボルドー66D)を60倍に薄めて使用

ここに回数などが書かれていないものは特に決められていないので農家さんの都合で決められます。

4月 新梢(木の新芽)が1cmくらいになったら(そうか病)予防のために(テランフロアブル)を1000倍に薄めて3回まきます。収穫30日前までの期間に合計3回まくということです。

5月 開花が始まったら(花につく害虫)予防に(アドマイヤーブロアブル)を4000倍に薄めて3回

(灰色カビ病)予防に(ストロビードライフロアブル)を2000倍に薄めて3回

(かいよう病)予防に(クレフノン加用)を200倍に薄めて、(コサイド3000)を2000倍に薄めて(回数はきめられていない)

5月下旬(黒点病)予防に(エムダイファー水和)を500倍に薄めて2回と(カイガラムシ類の幼虫)予防に(アプロード水和材)を1500倍に薄めて3回

6月(カイガラムシ・カミキリムシ)予防に(スプラサイド乳40)を1500倍に薄めて4回

(サビダニ・スリップス)予防に(サンマイト水和)を4000倍に薄めて2回

(黒点病)予防に(ジマンダイセン水和)または(ベンコゼブ水和)を600倍に薄めて4回

これらには固着剤としてアピオンEが使われます。

(固着剤はつるつるした葉っぱや実の表面に農薬が付きやすくなるための農薬です。)

(ミカンハダニ)の予防に(ハーベストオイル)を150倍に薄めて(回数は決められていない)

7月(コナカイガラ・カミキリムシ)予防に(アクタラ顆粒水溶)を3000倍に薄めて3回

(黒点病)予防に(ジマンダイセン水和)または(ベンコゼブ水和)を600倍に薄めて4回

これらには固着剤として(アビオンE)使用

8月上旬(ナシマルカイガラムシ)予防に(エルサン乳剤)を1000倍に薄めて2回

8月中旬(サビダニ・スリップス)予防に(コテツフロアブル)を4000倍に薄めて2回

(黒点病)予防に(ジマンダイセン水和)または(ベンコゼブ水和)を600倍に薄めて2回

極早生のみかんにはここで(黒点病)予防に(キノンド-80水和)を1000倍に薄めて5回

8月下旬(ミカンハダニ)予防に(コロマイト水和剤)を2000倍に薄めて2回(ダニコングフロアブル)を2000倍に薄めて1回

9月に入り出荷前日までに使用する農薬…これは(貯蔵病害)(腐敗)を防ぐための農薬です。

とれる時期によって変わりますが、

(べフラン液剤25)を2000倍に薄めて前日までに3回

(ベンレート水和)を4000倍に薄めて4回

(アビオンE)を1500倍に薄めて何度でも

そして、収穫が遅れた場合はさらに散布されます。収穫後の作物を保護するための農薬ですから、出荷直前にまかないと意味がないのです。

これ以外に発生したときに応急処置で使われる農薬は別にあります。

(カメムシ類)には(MRジョーカー水和)を2000倍に薄めて2回(アルバリン/スタークル顆粒水溶)を2000倍に薄めて3回

(なめくじ類)には(ラービンフロアブル)を800倍に薄めて3回(これは劇物なので注意と言われます)

(エカキムシ・アブラムシ・アゲハ)には(オリオン水和40)を1000倍に薄めて5回(モスピラン顆粒水溶剤)を3000倍に薄めて3回

(エカキムシ・アブラムシ)には(アクタラ顆粒水溶)を3000倍に薄めて3回

(毛虫類)には(ファイブスター顆粒水和剤)を2000倍に薄めて前日まで(回数は決められていません)

(展着剤)として台風などで農薬が付きにくいときに(ササラ)を3000倍に薄めて使います。

それぞれの名称については下記をご覧ください。

病気について

(かいよう病)かさぶたのような斑点ができる、かいよう病菌による細菌病の一種です。雨などで広がります。

(そうか病)おなじくかさぶたのように皮がとんがってくる、これも細菌による病気の一種です。

(灰色カビ病)別名ボトリチス病とも呼ばれ、多くの野菜や花にも発生する「カビ」が原因の病気です。 栽培期間が長くなって弱ってしまった株や弱った葉や茎など部位で発生することが多い。

(黒点病) 気温が高く、湿気の多い時期に発生しやすい。

農薬について

(ICボルドー銅水和剤)有機JAS認証で使っていい農薬として認められている殺菌剤。フランスで生まれた歴史の長い殺菌剤。

(デランフロアブル)ジチアノンを主成分とする劇薬。皮膚の炎症を起こすことは認められている。ボルドー液との混合は避けるよう明記されている。

(アドマイヤーフロアブル)イミダクロプリドと主成分とする劇薬。ネオニコチノイド系殺虫剤。

(ストロビードライフロアブル)クレソキシムメチルを主成分とし、従来の殺菌剤とは異なる比較的新しい薬品。

(クレフノン加用)炭酸カルシウム。ICボルドーとの併用で効果が高くなるといわれている。

(コサイド3000)有機JAS認証で認められている農薬の一つ。銅殺菌剤。

(エムダイファー水和)石灰硫黄系の殺菌保護剤。

(アプロード水和材)昆虫成長制御剤

(スプラサイド乳40)主成分のメチダチオン(DMTP)は、有機リン系の殺虫剤。劇薬に指定されており、一日の摂取量も上限が決まっている。

(サンマイト水和)殺虫剤。主成分のミルメベクチンは微生物によって作られるとのことで、特別栽培ガイドラインでは農薬として回数に入れなくていい地域もある。

(ジマンダイセン水和)有機硫黄殺菌剤。マンゼブとも言われる。輸入のものに関しては農薬取締法に基づく登録を受けていないものがあり、安全性が未確認のものがある。

(ベンコゼブ水和)おなじくマンゼブといわれるジマンダイセン水和と同じ。

(アピオンE)パラフィンが主成分の乳化剤。有機JAS認証で使用が認められている農薬。

(ハーベストオイル)マシン油乳剤のこと。つまり機械の滑油です。これは昔から使われており、かんきつなどの作物の表面を油で多い保護するもので、これは農薬としてカウントされません。有機JAS認証でも認められているのです。

(アクタラ顆粒水溶剤)これもネオニコチノイド系農薬の殺虫剤。

(エルサン乳剤)主成分がPAP、劇物指定の有機リン系殺虫剤。

(コテツフロアブル)劇薬指定の防虫・防ダニ剤。呼吸酸素を阻害するため、劇物壌受書が必要。

(ダニコングフロアブル)ピフルブミドを主成分とする防ダニ剤。

(べフラン液剤25)イミノクタジン酢酸塩を主成分とする殺菌剤。

(ベンレート水和)ベニミルを主成分とする殺菌剤。ポストハーベストにもよく使われている。アメリカやイギリスでは目に被害が出て製造・開発元のデュポン社を訴え敗訴。それ以降デュポン社では作られていないのに、日本では住友化学が製造、使用が続いている。

(MRジョーカー)殺虫剤。除虫菊に含まれるピレスリンの構造をまねて作った化合物。ピレスロイドと呼ばれる殺虫剤。

(アルバリン/スタークル顆粒水溶)ネオニコチノイド系害虫薬。

(ラービンフロアブル)保護殺菌剤。劇薬とされているが調べてもあまりはっきりとした内容がわかりませんでした。

(モスビラン顆粒水溶液)アセタミプリドを主成分とするネオニコチノイド系殺虫剤。

(ファイブスター顆粒和水剤)有機JAS許容農薬の一つ。BT剤といわれ生物農薬の一つ。バチルス菌ともいわれる。

長くなってしまいました。

調べてもよくわからない農薬もありました。

そして一つ分かったことは、ネオニコチノイド系の農薬は日本では蜂などへの影響は少ないと明記されていることが多いということです。
決して私は慣行農法を非難しているのではありません。農家の皆さんを心から尊敬しています。
ただ、こうして安全だと認めていることで、これだけ人に被害を与えるものもあるのに農家さんたちも被害を受けるのに使用されている。
それがなんだか切ないのです。
 
そして、どうして当店の農作物がこんなに見た目が悪いことがあるのか?
価格の違いはどうしてか?
一般のスーパーなどで売っているきれいな果物と何が違うのか?それをわかっていただくためにこういうことを書いています。

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